歯医者の起源って? 現代の治療を行う歯医者さんは5000年間いなかった!?

私たちの生活に欠かせない歯医者さん。
一度痛みを感じる虫歯を治療してもらった人ならば、そのありがたみが分かるはず。
ところで、歯医者さんは一体いつからいるのでしょうか。
ここでは「歯医者さんの起源」について記事にしています。
人類最初の歯医者さんは?
記録によれば古代エジプトには、すでに歯科治療を行っていた形跡が残されているそうな。
内容は、虫歯や歯周病に対する薬物治療、顎の脱臼の施術など。
薬学に強いエジプトの薬物治療はともかく、顎関節症に対する施術の記録など、口腔外科の原型がおよそ紀元前3000年前からあったというのは驚きですね。
人類最初の歯磨きは?
インダス文明(紀元前2600年前)の時代には、歯磨きの習慣があったそうです。
当時の歯ブラシは、木の皮や枝を使って作られたもの。
漫画「スティールボールラン」で主人公のジャイロ・ツェペリが木の皮を歯ブラシの代用にしているシーンがありましたが、あれは事実に基づいていたのですね。
また、余談ですが、歯ブラシだけではなく、鉄製で作られた「舌ブラシ」も当時は使われていたそう。
古代人もエチケットには気を使っていたのですね。
人類初期の虫歯治療は?
『歯のおもしろ歴史館 -深川歯科-』に、興味深い内容が書かれていました。以下、引用します。
❝古代バビロニア(紀元前2000年頃)では、歯痛を伴う疾患は加持祈祷で治す方法が盛んに行われました。❞
❝ヨーロッパでは遊歴歯科医が町々を廻って歯みがき粉を売り歩くかたわら抜歯を行っていました。❞
❝イタリアでは理髪師が抜歯、口腔内清掃など行っていました。❞
出典: http://www.fukagawa.or.jp
理髪師による抜歯、絶対に嫌ですね。
実際に処置がいい加減だったりトラブルなども多くあらわれたそうです。
また、虫歯の治療というよりは「歯を白くする」ことに重点を置く治療もあり、過激な薬品で歯を無理やり漂白して完治などとしていることもあったそうな。
ヨーロッパでは、現代の治療を行う歯医者さんは5000年間いなかった
今のような、虫歯の患部を削って詰め物をする方法がヨーロッパで一般的になったのは1700年代に入ってからのこと。
それまでは主に、前述したような「薬物治療」「祈祷」「抜歯」「漂白」が主だった歯科治療でした。
古代エジプトの歯医者さんの記録から約5000年経って、ようやく「削る」という技術を得たヨーロッパの歯科治療。
なぜこんなに進歩が遅れてしまったかといえば、『ウィキペディア』には、当時のヨーロッパでは、権威ある学派が新しい治療法を排斥していたからと紹介されています。
❝16世紀に至るまで千年以上に渡り、ヒポクラテス医学、ガレノス医学、アビセンナ医学を信奉する各学派が絶対的権威として君臨しており、停滞が続いていた。出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/歯学❞
つまり、ヨーロッパでは、ルネサンスを経てようやく(近代的な治療を行う)歯医者さんが誕生するのです。
まとめ
いかがでしたか。
今回は「歯医者さんの起源」について記事にしてみました。
歯医者さんの起源は、古代エジプトから始まったとする説が有力ですが、その歯科治療のイメージは、現代のそれとはずいぶんかけ離れています。
ヨーロッパでは、政権によって「削る治療」の発展が遅れ、大衆が近代的な歯科治療の恩恵を受けるまでに民草の多くの歯が失われ、多くの「床屋」が儲かりました。
古代人も求めていた「白く健康な歯」。
現在の歯科治療に感謝し、そして今後の歯科治療の発展にも期待していきましょう。